地元企業と市民が結集して、エネルギーの地産地消をめざす
取り組み内容
2011年3月11日に起きた東日本大震災は国内各地にさまざまな被害をもたらしました。小田原市でも例外ではなく、断続的な計画停電の実施を余儀なくされ、地元の足柄茶から放射性セシウムが検出されたことで出荷停止という事態を引き起こしました。
そうした経験から、平穏な日常を守るために、安心安全なエネルギーを地域で作り出そうという機運が一気に高まりました。
2011年11月には、環境省の「再生可能エネルギー地域推進体制構築支援事業」の全国7都市の1つに、小田原市が採択されました。翌月には「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」が発足、太陽光発電を主軸とする再生可能エネルギー創出への歩みをスタートさせました。
市民力を上げることを重視する加藤前市長が率先して音頭をとったこともあって、事業化はスピーディに進み、2012年12月、地元企業38社が結集して、ほうとくエネルギー株式会社を設立しました。電力会社、建設会社、金融機関も含め、あらゆる業種の企業が出資、参画したこと、さらに市民ファンドを作って市民の参画を促したことが最大の特徴で、利益は地域に還元することを大原則としています。
発電については、地元の辻村山林所有の遊休地にメガソーラーを設置したことをはじめとして、小学校などの屋根に太陽光パネルを設置する屋根貸しソーラー、0円ソーラーなどを活用して、ご当地電気を生み出す発電拠点を整備しました。現在、発電量は併せて3.4Mw(メガワット)に及びます。
地域で発電した電力を市内の企業や市民が使用すれば、その電力料金は、地域に還元されます。この循環を生み出すために「小田原箱根エネルギーコンソーシアム」を立ち上げ、ほうとくエネルギーがつくった電力を地元に供給するための湘南電力を地元資本で買収、小田原ガスと古川が販売店として機能する仕組みを作りました。
「小田原箱根エネルギーコンソーシアム」の循環は、収益を出資者である地元企業と市民に還元するほか、収益の一部を小学校への蓄電池の寄贈や環境ツアーの開催などに寄付することで、地域貢献にも活かすことができる仕組みです。
小田原市全体で支払っている電力料金は約300億円とも言われています。従来はこの料金が市外へと流出していましたが、ご当地電力が普及すればこの流出がおさえられ、地域経済の活性化の一助になることは間違いありません。
2015年度、神奈川県より、かながわ地球環境賞「かながわスマートエネルギー計画部門」を受賞。
同社の事業は、ゴール7(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)を中心に、ゴール11(住み続けられるまちづくりを)、ゴール17(パートナーシップで目標を達成しよう)などその他ゴールに貢献しています。
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記事作成者:運営事務局
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