耕作放棄地を豊かなブドウ農場に蘇らせた小田原ワインプロジェクト
取り組み内容
小田原市石橋に耕作放棄地を借り受け、2020年9月から動き出したのが、小田原ワインプロジェクトです。
農業従事者の高齢化に伴い、耕作が行われなくなり放置された農地が問題となっています。農業生産が減少するだけでなく、十分な管理が行われないために雑草が生え、害虫が発生したり、景観が悪化したり、周囲にさまざまな悪影響を及ぼしています。また本来洪水などの災害を防ぐ機能を持つ農地が、管理されないためにその機能を失い、防災の観点からも、耕作放棄地の発生防止や解消に努めることが求められます。
小田原ワインプロジェクトが優れているのは、ブドウの生産からワイン造りというプロセスを、農業に縁がない多くの市民を巻き込んで楽しみながら実現しながら、農地の本来の機能を回復し維持しようとしていることです。
圃場は開墾から始まりすべて手作りでした。伐採・伐根、整地を行い、地元のさまざまな人の力を借りて圃場を切り開きました。
広さは1.3ha(ヘクタール)で植栽1300本、主に栽培されているブドウはメイヴという品種です。
メイヴが日本で発見されたのが2019年、プロジェクトの始動とタイミングが合ったこと、知り合いだった茅ヶ崎市の田中さんから無農薬で栽培できるメイヴの苗を分けてもらえたことで、メイヴを植えることになりました。奇跡的な出会いだったと言えそうです。
土壌は水はけが良く、東向き斜面なので朝日も良く当たります。暖かく湿気の多い気候のため、海風が吹き抜けるように植え方を工夫して風通しを十分に確保しました。可能な限り無農薬でのブドウ栽培を目指していますが、メイヴはこの地で元気に育っています。
作業はボランティアの方々で行われています。年代はさまざまで、和気あいあいと作業が進められていきます。
そして2022年8月にメイヴ70kgを収穫し、長野県のワイナリーで醸造が行われました。2023年は約50名の人々が収穫に参加、約250kgを収穫しました。
人の縁と人の力で立ち上がったプロジェクト、これからの展望が楽しみです。
メインゴールは、11の住み続けられる街づくりで、さらに15の陸の豊かさ、12のつくる責任つかう責任、17のパートナーシップで目標を達成しよう、と多くのSDGsゴールに貢献している注目のプロジェクトです。
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記事作成者:運営事務局
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